さて今回は、バレッタの観光地の中でもマルタ騎士団の過去を感じられるような場所を紹介していきます!
騎士団長の宮殿
・基本情報
開館時間
月・火・水・金 10:00~16:00
土日 9:00~17:00
木曜、1/1、復活祭前の金曜日、12/24、12/25、12/31 休館
入場料
一般€10、学生・60歳以上€7
備考
国会開催中は閉館
・見どころ
聖ヨハネ大聖堂を設計したジェラーモ・カサールの手によって1547年に完成。現在はこの場所に議会と大統領府が置かれているため、見学は中の一部のみとなっている。パレス広場に面するこの建物は石灰岩でできていて、縦が96m、横が81mと大きな建物である。入り口は二つあり、左側の入り口はネプチューンの中庭に通じている。
ネプチューンの中庭
この名前は、騎士団長の1人アロフ・ドゥ・ワイグナーコートの命で海の神ネプチューンのブロンズ像が祀られていることに由来する。中庭は100年ほど前まで騎士団の水飲み場として使われていた。右側にはアルフレッド王子のお中庭に通じていて、奥では階上の旧兵器庫と現在の議会に通じる入口が二頭の獅子に守られている。
兵器庫(通路)
ネプチューンの中庭の奥にある入り口を抜けると、兵器庫通路がある。床は色大理石で覆われ、脇には甲冑が並んでいる。兵器庫に入ると実際に使われていた甲冑や槍が展示されている。1555年に死亡した騎士の武具などが騎士団に帰属する旨の政令が出てから、ヨーロッパ各地から集められた槍や甲冑、砲弾、18世紀の団長の馬車などが飾られており、その数は6000点にもなる。中でも、1601~1622年に団長を務めたアロフ・ドゥ・ワイグナーコート(ネプチューンの像を建てた人)の使用していた金メッキの甲冑が目を引く。なんと重さが50kg以上もあるそうだ。
審議の間
兵器庫通路の奥に進むと、1926~1976年の間マルタ議会が開かれていた審議の間がある。団長ペレロスが寄贈したアフリカ大陸とアメリカ大陸を描いた10枚のタペストリーと騎士団の戦いが描かれたタペストリーが飾ららている。この通路をさらに進むと階段があるが、重い甲冑を背負った騎士が上り下りしやすいように段差が低くなっているのが特徴。この階段の裏には食堂がある。
最高審議の間
昔の騎士団長はこの部屋の角にある玉座に座っていたと伝えられており、現在では大統領儀礼庁が置かれている。壁面が12のフリーズで区切られており、1565年にオスマン帝国がマルタを攻めた際にマルタ騎士団が撃退した時の大包囲戦が描かれている。
さらに続く角部屋には大使の間と給仕の間がある。大使の間にはマルタ製の家具とダマスコ製の赤いタペストリーが、給仕の間には明るい黄色のタペストリーが飾られている。以前は給仕の間に12~18歳の若者が詰めて、騎士たちの雑用を引き受けていたらしい。
カーサ・ロッカ・ピッコラ
・基本情報
開館時間
月曜〜土曜 9:00~16:00
日曜・祝日 休館
入場料
一般€7、学生€3.5
備考
見学はガイド付きでのみ、10:00~16:00の間に毎時ツアーが出発
・見どころ
16世紀に建てられた貴族の館で、現在も人が住んでいるため過去と現在の生活の様子が混在した空間。礼拝堂、家具、食器のしつらえた食堂、寝室などの計8部屋を見学することができる。いくら混在しているとはいえ、当時のマルタの貴族の生活の様子を感じ取ることができるので、ぜひ行ってみてはいかが?
聖エルモ砦
・基本情報
開館時間
催事の時のみ公開
入場料
一般€7、学生€3
備考
イン・ガーディア(In Gardia)は月に2〜3回、11時から40分程度の開催
アラーム(Alarme)は年によって開催日が変化。
・見どころ
シベラス半島の先端にあるこの砦は、15世紀から軍事戦略上重要な防衛拠点であった。その後1552年に砦の形が作られた。目的はオスマン・トルコ帝国からの防衛で、わずか6ヶ月の間にピエトロ・ロバートの設計で二つの港を持つ砦が建築された。砦は四つの角を持つ星型で、上部から海、下部から地上の侵略を見張っていたそうだ。トルコ軍はこの砦を集中して攻め、1ヶ月のも及ぶ凄惨な大包囲戦が続いた。この戦いにマルタ騎士団が勝利してからは新たに城壁が築かれ、ヴァレッタやグランド・ハーバーに続く道も整備された。しばらくして第二次大戦ではイギリスの対イタリア戦の拠点として使用されたため、爆撃やEボートによる攻撃を受け破壊された。
現在もその面影を残し、階段が内部には多く存在する。迷わないように砦の入り口などで配布される地図をもらおう。上部には海を見晴らせる見張り台Queen Elizabeth’s Vantage Point(若きエリザベス女王も訪れた)や、警察学校があり、下部には映画「ミッドナイト・エクスプレス」のロケ地がある。
イン・ガーディア
オスマン・トルコ軍との大包囲戦勝利を記念して、月に2回、騎士団のパレードと戦闘の様子を再現した催し物が開かれる。それがイン・ガーディアだ。鮮やかな当時の聖ヨハネ騎士団の服装を再現した衣装を着た100人騎士たちがマスケット銃隊や大砲の演習を行う。似たようなもので、フランスとの戦いを再現したアラーム(Alarme)というイベントもあるので、時間があるマルタ留学期間中に行ってみてはいかがでしょうか?
国立戦争博物館
・基本情報
開館時間
9:00~17:00
1/1、復活祭前の金曜日、12/24、12/25、12/31 休館
入場料
一般€6、学生・60歳以上€4.5
・見どころ
聖エルモ砦を舞台に起こった様々な戦いに関係する資料や武器、軍服、軍用車、戦闘機などが展示してある。英国国王ジョージ6世が第二次大戦中のマルタの人々の勇気ある行動を称えて送ったジョージ十字勲章も見ることができる。
騎士団施療院
・基本情報
開館時間
月〜金 9:30~16:30
土日祝 9:30~16:00
入場料
一般€5、学生・60歳以上€3、子供(8歳以上)€2
備考
地中海会議センター使用中は閉館
・見どころ
16世紀に騎士団の病院として設立されたこの建物はグランド・ハーバーに面しており、船からすぐ負傷者・病人を運ぶことことができた。当時のこの病院では伝統的にフランス語が用いられており、騎士だけでなく騎士団長も医師たちの助手として務めていた。
内部は6室、最大の長さは161mまでと大きく、最大で2000、通常は500のベッドが置かれた。現在は当時の様子が人形などで再現されており、観察することができる。この病院には女性専用の病室が設置されていたり、病室は清潔、ベッドには麻のシーツ、食器は金や銀と、かなり豪華な造りだったことがうかがえる。また、監獄としても使われていたそうだ。
マルタ体験ショー
・基本情報
開館時間
月〜金 11:00~16:00
土日祝 11:00~14:00
1/1、復活祭前の金曜日、12/24、12/25、12/31 休館
入場料
一般€9.5、学生・60歳以上€7、子供(8歳以上)€5
・見どころ
騎士団施療院に続く地下の一角で開催されるマルチビジョンショー。古代からのマルタの歴史から現在のマルタの習慣について映像、語り、音楽等でわかりやすく解説してくれるので、マルタへの理解が深まる。せっかくマルタへ留学に行くのであれば、一度ぐらい足を運んでみてはどうだろうか。所要時間は約45分で冷暖房完備、イヤホンで英語と日本語を含む10カ国語から音声を選択して聞くことができる。
ローアー・バラッカ・ガーデン
・見どころ
騎士団施療院を出て、海沿いの道を上がると左側に小さなバールが見える。この脇を入るとローアー・バラッカ・ガーデン(lower barrakka gardens)と呼ばれる公園がある。この公園からはグランド・ハーバー、ヴィットリオーザ、セングレアの街w一望することができ、とても見晴らしが良い。公園の中央にはナポレオン率いるフランス軍の撤退に功績のある初代英国マルタ総督のアレクサンダー・ボール卿に捧げられた神殿がある。
アッパー・バラッカ・ガーデン
・見どころ
又の名をイタリアの見晴台と呼ばれ、19世紀まではイタリア人騎士団院が遊び、休息する場だった。保塁の上に海に突き出た地形なので、グランド・ハーバーとスリー・シティーズを一望できる。昼間の景色も海が生えて十分綺麗だが、夜景は明かりに照らされた地形がさらに素晴らしく見える。屋根は無くなったが、1661年当時の柱廊が今でも残っている。一角に佇む「さまよう3人の子供の彫像Les Gavroches」はマルタ人の彫刻家アントニオ・ショルションらによるものだ。
また、この公園では大砲のデモンストレーションがあり、正午に発射される大砲を見学することができる。
(10:00~13:00、1/1、復活祭前の金曜日、12/24、12/25、12/31は休み、€5)
オーベルジュ・ドゥ・カスティーユ(首相官邸)
アッパー・バラッカ・ガーデンを出てすぐのところにある。現在は首相官邸が置かれているため見学はできないが、外観だけでも中世から現在のエレガントな雰囲気を楽しむことができる。1574年にジェローラモ・カサールの設計でスペインとポルトガル出身の騎士団の宿泊所として建設された。その後1744年に建物自体がバロック式のものに改装された。入り口に団長の胸像、中央部分には紋章が描かれている。
聖母ヴィクトリア協会
・基本情報
開館時間
火曜 7:30~12:00
土曜 17:30~20:00
それ以外 7:30~9:30
・見どころ
首相官邸の脇の道を下るとたどり着く、街一番の古さの教会。1565年に建設されたものの長い間打ち捨てられていたため、17世紀にファサードが完全に改築された。正面扉の上にある像は法王イノチェンティウス10世のもの。彼は騎士団長と司教の間に争議が起こった際、仲裁に入ったそうだ。内部にはアラッシオ・エラルディのフレスコ画がある天井などが飾られている。
国立美術館(旧海軍総督住居)
・基本情報(こちらも参考に!)
開館時間
9:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
1/1、復活祭前の金曜日、12/24、12/25、12/31 休館
入場料
一般€5、学生・60歳以上€3.5、6~11歳€2.5
・見どころ
聖母ヴィクトリア教会正面にあるサウス・ストリートを北に進むとたどり着く。1570年に建設されたこの建物は18世紀には騎士団長と騎士団事務所が、1821~1961年には英国海軍総督の住居となっていた。1961~1963年の大規模な改修の末、1974年から一般向けの美術館として公開された。
14~15世紀のイタリア人画家の作品やマルタ出身の彫刻家アントニオ・ショルションの作品などが並ぶ。騎士団長のポートレートが並ぶ華やかな空間も広がり、騎士団病院で使われていた金・銀器、陶器や硬貨なども見ることができる。中庭もあるのでチェックが必要だ。
作品例
・ティントレット 「甲冑に身を包む男」
・グイド・レリーニ 「贖い主キリスト」
・ホセ・デ・リベラ 「聖フランシスコ」