イムディーナ(Mdina)、留学前にマルタのことを調べようと思うと必ずといっていいほど目に入ってくるのではないでしょうか?イムディーナはアラビア語で「(城壁の)町」という意味ですが、そのとおりこのイムディーナは空掘と城壁に囲まれています。かつてバレッタの前はマルタの首都であったこのイムディーナ、全盛期は25近くの貴族の館が立ち並んでいたと言われています。現在も聖職者や旧貴族が住んでいますが、その数は300人にも満たず「静寂の町」とも呼ばれます。
このイムディーナは城壁で囲まれた部分が8万㎢以下。東京ドームの2倍弱と小さく、現在ではこの中への車の侵入は禁止されています。狭い通りを静かに歩き、イムディーナの町を肌で感じてみてくださいね。
メイン・ゲート
イムディーナの町に入るには3つの入り口がありますが、その中でももっとも装飾が豊かで豪勢なのがメインゲート。現在のバロック様式のメインゲートは1724年に当時の騎士団長マノエル・ド・ヴィレーナによって再建されたもので、その前のものは埋め込まれ今は城壁としてそれを見ることができます。メインゲートには騎士団の紋章が刻まれ、内部には3人の聖人像が並びます。
見張り台
メインゲートを入って左側の広場にあるのが見張り台。1725年〜1726年にかけて聖ヨハネ騎士団によって造られたこの見張り台は、このイムディーナの城壁の一部を形成しています。建設された当時はイムディーナとその他の町の信号通信に利用されていましたが、現在ではイベントや観光情報センターとして利用されています。
国立自然科学博物館/ヴィレーナ邸
見張り台とは反対側の右側にあるのがこの館。1726年〜1728年に建てられたこのバロック様式の建物は、フランス人建築家でありマルタで軍事技術の分野で活躍したチャールズ・フランソワ・デ・モンディオンによってデザインされています。イギリス統治下にあった時代は病院として使用されており、その後1973年からは博物館が併設されるようになりました。博物館では動物、貝類などの展示を楽しむことができます。
聖パウロ大聖堂・大聖堂付属博物館
メインゲートから続く細い道の右側に広がるセントポール広場の一角に建ちます。1963年のヴァル・ディ・ノート大地震の後マルタ人建築家のガッファによって建てられましたが、この大聖堂は彼の代表作。伝説によれば、4世紀に聖パウロの祈りにより病の床に伏した父を救われたことから、キリスト教に改宗してマルタ最初の司祭となった聖パブリウスの家の跡地であり、聖母にささげるため建築された小さな協会が建っていたといわれています。
簡単なバロック様式で造られたもの大聖堂の内部はラテン十字型。聖具室の扉は12〜13世紀のアイルランド産の栗の木で造られたもので、ノルマン人の時代のものであるということです。広場を挟んで反対側には博物館があり、1733〜1740年に造られたもの博物館は当時神学校として使用されていました。内部では14〜19世紀の時代を知ることのできる展示を楽しむことができます。
ファルツォン邸/ノルマンハウス
イムディーナの建物の中で最も保存状態の良い中世のもので、1495年に騎士団長リスル・アダムによって建てられました。彼は1週間たらずでここからは移動をしてしまいましたが、現在は小さな美術館のようになっており16〜18世紀の様子を伺うことができます。
ファルツォン邸
イムディーナで2番目に古いとされている邸宅。1階部分は1495年頃に建設された部分がほとんどですが、一部13世紀に建設された部分も残っています。2階部分は16世紀半ばに増築されました。現在は内部が小美術館になっているため、さまざまな調度品が展示されています。特に絵画は魅力的。ぜひご覧ください。
フォンタネッラ(Fontanella)
オープンテラスの席で景色を一望できるカフェ&バー。コーヒーだけを頼んでゆっくりするのもよし、軽食をとるのもよし。自家製ケーキが人気のため、観光の合間に一休みにも最適。
いかがでしたか?中世の時代を肌で感じられるイムディーナは、マルタ留学では欠かせない首都バレッタからバスで30分ほど。スリーマやセントジュリアンからもバスが出ており、1時間もあればたどり着けます。是非マルタ留学中には遊びに行ってみてくださいね!