シェンゲン協定ってご存知ですか?マルタ留学をしよう!と思ってビザについて調べていると目にするはずです。それもそのはず。マルタはシェンゲン協定に加盟している国で、シェンゲン協定加盟国におけるビザ規定はそれぞれの国で定められているわけではなく、シェンゲン加盟国全体のビザ規定が定められているのです。シェンゲン加盟国全てまとめて一つの国というイメージでしょうか。1〜2ヶ月の短期留学であればさほど気にすることはございませんが、中〜長期留学をされる方はシェンゲン協定について知っておく必要があります。
シェンゲン協定とは
ヨーロッパの国々の間で結ばれている協定で、加盟国の間は国境検査なしで国境を超えることができます。1985年、当時の欧州経済共同体に加盟していた10カ国のうち5カ国によって署名された文書を指します。その5年後には内容を捕捉するシェンゲン協定施工協定に署名がなされ、1997年のアムステルダム条約の中ではこの2つの協定を欧州連合の法律とするとされています。
シェンゲン加盟国
現在、シェンゲン協定に加盟している国は以下の通りです。
オーストリア ベルギー チェコ デンマーク エストニア フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド イタリア ラトビア リヒテンシュタイン リトアニア ルクセンブルク マルタ オランダ ノルウェー ポーランド ポルトガル スロバキア スロベニア スペイン スウェーデン スイス
EU加盟国のうち、ブルガリア、キプロス、アイルランド、クロアチア、ルーマニア、イギリスはシェンゲン加盟国ではありません。
シェンゲンビザとは
シェンゲンビザとは、シェンゲン加盟国内に観光・出張を目的として滞在する場合に発行されるビザのことです。日本のパスポートをお持ちの方はこのビザが免除されていますが、ビザを保持している方・免除の方いずれもシェンゲン協定内を出入国審査なしに移動することができます。この場合の滞在期間は「あらゆる180日間のうち90日間」とされております。
あらゆる180日間のうち90日と聞くと難しいですが、つまりどこの180日間をとっても滞在期間が90日間以下である必要があります。例えばマルタに90日間滞在をしてしまうと、その後は90日間経たなければ再度シェンゲン圏内に90日間滞在することはできません。
シェンゲン協定の注意点
トランジット
まず一つ目の注意点がトランジット。例えばイタリアでトランジットをしてマルタに入るとすると、イタリアの入国時にすでにシェンゲン圏内に入っていることになります。そのためその分マルタへの滞在期間が短くなります。トランジット1日くらいであれば大きな影響はないかもしれませんが、もしもマルタ留学で90日間を全て使い切ってしまった場合、その後シェンゲン加盟国でトランジットをすることができなくなってしまう可能性がありますので気をつけましょう。
留学前後の旅行について
せっかくヨーロッパに留学をするのだから、ヨーロッパ旅行をしたいなあと思う方も多いのではないでしょうか?ただ、旅行計画は留学期間を踏まえてしっかり計算をしておく必要があります。例えばマルタ留学で90日間を使い切ってしまった場合、留学前後にさらにヨーロッパ旅行をすることができなくなってしまいます。もしも3ヶ月以内の短期留学で1〜2週間の旅行を計画されるのであれば、マルタ留学の期間を10〜11週間と調節しておく必要がありますね。
長期留学の場合は?
では、長期でマルタ留学をしようと思いマルタで学生ビザの申請をした場合、シェンゲン加盟国への旅行はどうなるのでしょうか?この場合、マルタに長期で滞在することを特別に許可されているため、マルタの学生ビザが有効である限りはシェンゲン加盟国へ旅行することは可能となります。ただ、マルタの学生ビザが切れるとシェンゲン圏内からも出なくてはなりません。そのため長期でマルタ留学をする場合、ヨーロッパ旅行は留学前後ではなく留学中に済ませておく必要がありますね。
いかがでしょうか?留学中の週末に旅行をする分には全く問題ありませんが、マルタ留学後にヨーロッパ旅行を…と計画している方には少し注意が必要なシェンゲン協定。せっかくのマルタ留学ですので、ビザと時間をうまく利用してヨーロッパ旅行を楽しんでくださいね:)